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賃貸管理blog築年数の古い物件を建て替えるときのチェックポイント

「築年数の古い物件をどうするべきか…」

賃貸オーナーの皆さんの中には、このような悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか? 「リフォームを続けて使い続けるのが良いのか、それとも建て替えたほうがいいのか…?」

築古物件は、修繕を続けることで長く使うこともできますが、老朽化が進むとメンテナンス費用がかさみ、結果的に建て替えを検討せざるを得ない状況になることもあります。

しかし、建て替えは大きな投資が必要になるため、何から手をつければよいのかわからず、なかなか踏み出せない方も多いでしょう。

本記事では、築年数の古い物件を建て替える際にチェックすべきポイントを、初心者オーナーにもわかりやすく解説していきます。

1. まずは建物の現状をしっかり把握しよう

1-1. 耐震性の確認は必須!

「この建物は地震が来ても大丈夫だろうか…?」

これは、築古物件を所有するオーナーがまず最初に確認すべきポイントです。 特に、1981年6月1日以前に建築確認を受けた建物は、旧耐震基準で建てられており、大地震の際に倒壊するリスクが高いとされています。

では、どうすれば耐震性を確認できるのでしょうか?

答えはシンプルで、耐震診断を受けることです。

専門の建築士やリフォーム職人に依頼し、建物の耐震性をチェックしてもらいましょう。診断の結果、耐震補強工事で対応できる場合もありますし、場合によっては建て替えが最適な選択肢となることもあります。

1-2. 劣化状況のチェック

築古物件では、見た目以上に建物が劣化しているケースが多くあります。 特に以下のような点は、建て替えの判断に大きく関わります。

基礎のひび割れ
建物の土台である基礎部分にひび割れがあると、耐久性が著しく低下します。特に、大地震時の倒壊リスクが高まるため、注意が必要です。

配管の老朽化
築年数が古くなると、給排水管が腐食したり、破損したりすることがあります。これにより水漏れや詰まりが発生し、建物全体の快適性が損なわれる可能性があります。

シロアリ被害
木造住宅の場合、シロアリ被害が進行すると柱や土台が食い荒らされ、建物の強度が著しく低下します。シロアリ駆除業者に調査を依頼し、深刻な被害がある場合は建て替えを検討しましょう。

断熱材の劣化
築古物件では、古い断熱材が劣化し、断熱性能が低下していることがよくあります。これにより室内の温度が外気の影響を受けやすくなり、居住環境が悪化します。

これらの問題が深刻な場合は、リフォームでの対応が難しく、建て替えを視野に入れるべきでしょう。

2. 法的・規制面の確認も忘れずに!

建て替えを決める前に、必ず建築基準法や用途地域の確認を行いましょう。

現在の建築基準法では、新たに建てる建物が法律に適合している必要があります。特に重要なのは以下の3点です。

用途地域の確認
自分の所有する土地が住宅専用地域なのか、商業地域なのかによって、建てられる建物の種類が異なります。用途地域をしっかり確認しましょう。

建ぺい率・容積率の確認
建物の敷地面積に対して、どれくらいの建物を建てることができるのかを示すのが「建ぺい率」と「容積率」です。現行の基準を満たさないと、希望通りの建物を建てることができない場合があります。

接道義務の確認
建築基準法では、幅員4m以上の道路に2m以上接していないと建て替えが認められないことがあります。接道条件を満たしているか確認しましょう。

「今の建物はあるのに、建て替えたら規制で同じものが建てられない!」というケースもあるので、事前に市区町村の役所で確認することが大切です。

3. 資金計画をしっかり立てよう

3-1. 建て替え費用の目安

建て替えには多額の費用がかかるため、事前にどのくらいの資金が必要なのか把握しておくことが重要です。

解体費用
既存の建物を取り壊すために必要な費用。築年数の古い木造アパートであれば、一般的に100万~300万円程度かかることが多いです。

建築費用
新しく建てる建物の工事費用。建物の大きさや構造・仕様によります。解体工事を始める前に建設会社との打合せを進めておくといいでしょう。

設計費用・登記費用
設計事務所への依頼費や、不動産登記にかかる費用も必要となります。

その他の諸費用
引っ越し費用や仮住まいの賃料、税金なども考慮する必要があります。

3-2. 資金調達の方法

建て替えに必要な資金をどのように準備するかも重要なポイントです。

自己資金を準備する
貯蓄を活用して、建て替え資金の一部または全額を賄う方法です。借入を減らせるため、将来的な返済負担を軽減できます。

住宅ローンやアパートローンを利用する
金融機関からの借り入れを活用する方法です。金利や返済期間を考慮し、無理のない借入計画を立てましょう。

リフォームローンの活用
一部の改修工事で済む場合は、住宅ローンよりも手続きが簡単なリフォームローンを利用する選択肢もあります。

投資型賃貸住宅ローン
収益物件として建て替える場合、家賃収入を考慮したローンを活用することで、返済計画を立てやすくなります。

3-3. 補助金・助成金を活用する

建て替え費用を抑えるために、国や自治体の補助金・助成金制度を利用することも検討しましょう。

耐震改修補助金
耐震診断や補強工事を行う場合に、国や自治体から補助金が支給されることがあります。

省エネ住宅補助金
高断熱・高気密住宅を建てる際、省エネルギー性能を向上させるための補助金が利用できることがあります。

空き家再生支援制度
空き家を活用した住宅建設の場合、自治体の支援制度を活用できるケースもあります。

補助金制度は自治体ごとに異なるため、「スーモ」や自治体のホームページをチェックして、利用可能な制度を確認しましょう。

3-4. 収支計画を立てる

建て替え後の賃貸収入や運営費用を考慮し、長期的な収支計画を作成しましょう。

1.建て替え後の家賃設定
周辺の賃貸相場を調査し、適正な家賃を設定します。

2.空室リスクの考慮
建て替え後にどれくらいの期間で入居者が決まるかを想定し、予備費を確保しておくことが重要です。

3.ローン返済計画の作成
毎月のローン返済額が家賃収入で賄えるかを計算し、無理のない借入額を設定します。

4.維持管理費の見積もり
修繕費や管理費用も考慮し、長期的に安定した運営ができるよう計画を立てます。

資金計画をしっかり立てることで、無理のない建て替えが実現し、将来的な収益性も向上させることができます。

まとめ

築古物件を建て替える際には、

1.建物の現状をしっかり把握
耐震性や劣化状況を確認し、建て替えの必要性を判断する。

2.法的・規制面を確認
建築基準法や用途地域、接道義務を満たしているかチェックする。

3.資金計画を立てる
解体費用・建築費用・補助金などを考慮し、無理のない資金計画を作成する。

4.近隣住民へ配慮する
工事前にしっかりと説明を行い、トラブルを未然に防ぐ。

これらを押さえて進めることが大切です。

賃貸経営を成功させるためにも、しっかり準備を進めていきましょう!


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