不動産経営は大変なので売却を考えることは自然です。しかし今のご時世で希望通りの値で売ることは難しく、ついつい頭を悩ませてしまいますね。まずはどうやって転売するのか、その方法を考えてみましょう。
マンションの売値の決め方
家賃の利回りは、全体の収益÷物件にかかった費用で算出します。
マンションの売値はマンションの価値だけではなく、利回りを下げたり、家賃を上げたりという努力も必要です。
家賃を上げるためにマンションの外観を良くしたり、エントランスを豪華にしたりと方法があります。
こういった点でリノベーションは非常に有効な方法と言えます。このように手をかけて家賃をあげることができます。
変動する利回り
マンションを売る時には利回りを下げないといけません。
利回りというのがマンション売却にとって大切なキーワードとなってくるのですが、たとえば、ぼろぼろのマンションはメンテナンスかかるので、将来入居者が埋まるわからないと判断され、市場利回りが上がるだろうとされます。
しかしリノベーションを施し、外観が良くなり、「かっこいい」などの評価がつくとすると利回りは下がります。
年間の家賃収入が5000万として(銀行への返済なども終わっているという前提)市場平均利回りはおおよその目安は、新築6~7%、築年数10~15年で7~9%、築年数15年くらいからは10%です。
この場合、利回りが6%とすると8億で売れると考えられます。しかし利回りが7になると7億1000円となります。利回りが下がれば下がるほど売価が上がり、利回りが上がれば上がるほど売価下がるということなので、利回りは下げないといけないのです。
高く売ろうと思ったら良い物件をつくりましょう。良いものをつくれば高く買おうと思う人は必ずいます。
耐用年数が長い物件も利回りが下がる要因となります。
日本の融資の基準が耐用年数重視です。
鉄筋コンクリート47年、鉄骨35年、木造22年となっています。融資が長いというのは返済額が少なければ利益が残りやすくなります。
返済期間が短いということは返済額が上がっているということなります。
同じ額を借りても返済額が上がるため、利益が出ないからと銀行もオーナーも少々危険を感じるので、貸し渋りとなるケースもあります。
一般的には金利が安く長く組んだ方が良いと考えられ、また耐用年数が長い方が利回りは下がります。
売却に適した時期はある?
不動産の利回りはよく変動しますので、利回りが下がったときに売るのが一番です。
利回りの変動の原因は融資でしょう。
銀行の貸し渋りというのは最近よく耳にする話ですが、不動産の融資が出ない時期というのが必ずあります。
たとえばリーマンショックのとき、融資の引き締めがあり不動産が下がりました。
不動産ファンドが次々と倒れていきました。融資がつかなくなり売れなったマンションをたたき売りしなければならない状況になり、ある不動産会社は約7億円の損切を決行しました。
築年数の経った物件はどうやって売る?
現金を持っている人でなければ、築年数の経った物件を売却するのは難しいというのが現実です。
銀行や都銀は融資を貸してくれない可能性が高いのです。これは銀行の営業担当の力量によるところが多いということもあります。
融資を貸すにはさまざまな角度から精査しますが、できる営業マンというのは必要な資料を要求し、それに基づき適切な提案書を組み立てますが、この作業をできない営業マンが必ずいるのです。
もちろん銀行の方針などもあるので一概には言えませんが、何が何でも売るという気合のある営業マンが少なくなっていると感じます。
マンションを売るためにかかる費用
仲介手数料3%(売却価格の転売資金)+6万円+税金 ※印紙代は別です。
オーナーの条件として設備の修繕の要望などがあればさらにコストが掛かるでしょう。
あと敷金とは預かり金のことで、返さないといけないものですが、これにはいろいろな方式があります。たとえば大阪は次の入居者が敷金返すことになっています。
売却の利益が出た場合税金は?
税金はかかります。不動産の売却の単体は分課税となります。(個人の場合)
(売却金額-取得価格)から譲渡費用を引きます。課税所得になります。
取得価格というのは減価償却をした分を引いた金額です。減価償却が終わっている物件はないということです。
そこに対して短期譲渡長期譲渡というのがあり、5年までの短期譲渡は所得税住民税合わせて9%、6年くらいから長期譲渡が所得税住民税10%となっています。
基本的には高いときに売れば良いのですが、売ったら利益が出るのでつかうことを考えると良いでしょう。保険に入る、退職金にする、大規模修繕をする、新しく物件を買うなどして使う方法などがあります。
まとめ
物件買うときは5年、10年先を見据え、いつが得するのかをしっかりと計算しましょう。大切なのはキャッシュが回るか回らないかをしっかりシュミレーションすることです。マンションにおいては空室が出た場合のリスクや融資条件など考えることはたくさんあります。キャッシュフローを把握し、ムリがないかを判断することはもちろんですが、その物件のあらゆる条件が自分に合っているかを考慮することも非常に大切です。