木造アパートは、リノベーションのしやすさ、木の持つ独特な風合いや心地よさなどから好まれる方は多いです。ただ好みの問題だけではなく、ビジネスと考えているなら様々なメリットがあります。
①安い
②リノベーションしやすい
③木造はアイディアのバリエーションが広い
④家賃を下げることができる
⑤古い木造を利用して街の景観に貢献できる
⑥小資本でできる
これらの観点から、資本金が少ないけれどアイディアはたくさんあるといったスタートアップ企業は参入しやすくなっています。
しかし、銀行から借り入れをするときに融資がつきにくいというデメリットがあります。
これは木造アパートの耐用年数が少ないためです。金額に余裕がある方にとって木造アパートは建て替えのためではなく、リノベーションの観点からチャレンジする価値は大いにあるでしょう。
木造に手を加えて再生させる方法はたくさんありますし、事例もあります。
建て替えの築年数の目安は?
今までは築30年以上経てば木造は建物の価値としては厳しいという印象がありました。
しかし、これは建物によってばらつきがあり一概には言えません。というのも、築年数は経ってはいるが、しっかりとした良い状態の物件もあれば、築20年ほどなのに劣化が激しいという物件も実のところあるからです。
建て替えの時の築年数は参考にはなりますが絶対ではないということです。築年数だけでは判断できないというのが本当のところです。
築30年の木造建物を建て替えようと考えた時、一度しっかりとインスペクション(検査)を入れ、本当に大丈夫なのか?という目を持ち、しっかり見極めることが大切です。
たとえ築年数を参考にしたとしても、建物を外側から内側から、構造躯体など見るべきものをとしっかりと見て判断しましょう。
法律で決まっている耐用年数は?気になる耐久年数は?
耐用年数とは資産価値があるものとして法的に定められた年数のことですが、構造や用途によって違いがあります。
<木造の場合>
事務所用→24年
店舗や住宅用→22年
ホテルなど宿泊施設→17年
構造によって細かく区分されているので、所有する建物を深く理解するためにも一度詳しく調べることをお勧めします。
どのようにすれば長く持たせることができますか?
普段からのお手入れが効果を発揮します。
建物の構造はよほどのこと(工事過程などにおいての問題)がない限り、定められた年数は耐久性があると考えて問題ありません。
劣化を進める原因としては環境面が挙げられます。
たとえば木が生い茂った場所であると湿気が強くなる傾向があります。そのために日ごろから風通しを良くする必要がありますが、こういった配慮がないと劣化は進みます。
同じように水漏れがある箇所があったが気付かなかったケース。これらは小さなことですが、建物の寿命に大きく関わります。
私たち素人は建物の外側を見ることはできますが、内側を見て異変をキャッチすることはできません。
専門家でないと分からない内部の構造などのメンテナンスを兼ねた点検なども、定期的に施すことも長持ちさせるには非常に大切な行動です。