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賃貸管理blog賃貸をリノベーションするときの注意点

持っている不動産をリノベーションして、賃貸することは有意義な不動産の活用方法です。

近年は投資目的などで、不動産購入を検討する人も増え、ますますリノベーションへの注目は高まっています。

 

リノベーションとよく似たリフォームという方法もあります。

リフォームは元の形へ修繕する意味合いを持ち、対してリノベーションは、住む人に合わせて機能を刷新し、新しい価値を生みながら再生していくという意味合いを持ちます。

 

自分の快適な生活のために今の住まいをリノベーションすることとは違い、人様に貸すことを前提としてリノベーションを施すには、どんな人が使うのか?どういったことが価値を生むのか?という視点が必要になります。

 

ただ改修すればいい、ただキレイにすればいい、だけではリノベーションとしての価値を下げてしまい、結果としてリターンを得にくくなるでしょう。誰かに価値を与えられるか、自分にリターンがあるか、この二つの目的を頭の隅に置きながら、賃貸のリノベーションを考えてみたいと思います。

 

 

入居者がいるかどうかを調べる、その前に

 

リノベーションを施したとしても、入居者が入るかどうかは大きな問題です。これはとても気になりますね。

 

入居者のニーズに応えることは、賃貸リノベーションの1つの課題であり、実際にリノベーションを施す前に、エリア層などを調査することもあります。

 

調査によって、学生が多い、ファミリー層が増えてきている、富裕層が注目している、などの情報を得られたら、それぞれの層が求めるニーズに対応した戦略を立てることができるからです。その後のプロモーションなども既定路線をたどれるなど効率が良くなります。

 

入居者がいるかどうかを調べる前に大切なことは、『リノベーションによって良いものを造るという意識』をはっきりと持つことです。

 

たとえば、学生の多い街だとしましょう。学生は住居費を抑える傾向があるからといって、不具合のある部屋を借りるでしょうか?たとえ、予算が限られた入居者を得られたとしても、時を経て新たに入居者が得られるでしょうか?そのうちに、経年劣化してしまうことも考慮しなければいけません。

 

さらに、学生が多いのは近くに大学などがある場合ですが、この大学が移転するとどうでしょう?たちまちエリア層に合わない賃貸物件になってしまいます。

 

都市開発などによっても街のイメージも人の流れも変わります。もちろん、エリア層に的を絞ってリノベーションをすることは1つの戦略です。

 

しかし、一時のニーズに固執せず、もっと広い視野を持ち、長いスパンでリノベーションに取り組むことの方が大切です。

 

どんな時代の流れにも合う部屋、それは住む人が居心地の良い空間です。良い空間が生まれるリノベーションこそが、新しい価値を生みながら再生していくことの本質を捉えています。それを実現するのに必要なことは、ただシンプルに良いものを造るということです。

 

 

工事予算と賃料の関係を把握する

 

リノベーションをするにあたり、最初の時点で決めておくべき大切なことは、非常にわかりやすく言って、「ケチらないこと」です。

 

予算と言うのは大抵の場合は限られています。また、無駄な費用は払いたくないというのが心理でしょう。完成しても、賃料としてのリターンがどれだけ得られるかは未知数です。掛けた分だけのリターンはおろか、それを下回ることもあり得るのが投資です。ますます、工事予算にはシビアになってしまいますよね。

 

しかし、リターンを得られなかった場合のリスクを考え、細かい部分を「ケチる」としましょう。(細かい部分とは、クーラーの穴をふさがなかったり、お風呂の下の見えていない部分の始末が悪かったり、サッシだけ古いままだったりのことを指します。)そうすることによって、価値は幾分も下がってしまいます。

 

大切なのは、工事予算に対してのリターンありきで考えないことです。そこに住む以上、すべてが日常です。少しの不具合という日常は、小さな歪みからいずれ大きな負担となり、住む人を苦しめるでしょう。

 

賃料というリターンは確かに入っても、入居者にそこに住む価値を与えられるでしょうか?リノベーションをして、入居者を迎え、新しい価値を生み出したことは実績として数値化できません。

入居者が高い満足度を得てこそ新しい価値となるからです。それゆえに、工事予算と賃料の数字だけで価値を決めてしまいがちです。

 

しかし、数字には表れない価値が生み出す再生力は、継続的なリターンの基盤を築いていくことに繋がるのです。満足度を得るには、きちっとした部屋という土台があることが大前提です。

 

そのうえで入居者が感じるものが、満足度を決めると言っても過言ではありません。入居者にとって工費は見えないコストであり、関係ありません。高いか安いかの判断をするのは入居者です。たとえコストが掛かっても、客観的に見て不具合のないリノベーションを計画することが大切です。

 

 

 

減価償却を計算する

 

リノベーションをするにあたり、減価償却が毎年どう増減するかを理解して掴んでおくことは非常に重要です。

 

しかし、多くのオーナーは難しい税務に関しては税理士に任せているのが現状です。投資の最終目的は簡単に言えばメリットを得ることです。

 

投資の一環として不動産を賃貸するために、リノベーションを検討したら考慮するべき要素は、空室の期間や入居者のニーズの傾向、それに対してのどれだけのリターンを得るか、などです。これは予想して確率を上げることは出来ますが、確定することが難しい不確定要素です。

 

対して減価償却による税務上のメリットはどうか、キャッシュフローや税金はどう増減するのか、などは明確な数字の出る確定要素です。そういった面に強い税理士は、安心や安全を提供してくれます。

 

日本人の一般的な傾向は、不確定要素に対してネガティブになることです。どちらかというと、チャレンジをすることなく保障や保険に頼る保守的な投資です。もちろん悪いことではなく、現実を見据えた堅実な考えであり、税理士に任せることも悪いことではありません。

 

しかし、リノベーションをすることの最終メリットをわかるためにも、オーナー自身が減価償却や税金の損得をしっかり理解することが大切です。

 

不確定要素も確定要素も両方掴むことができるなら、減価償却は間違いなく取れます。オーナーとして決算書を読めることは最大の武器になります。

 

 

オーナーとしての心構え

 

オーナー業には向き・不向きがあります。

 

1つの目安としては、工費などを抑えなければリノベーションやリフォームをしないという考えなら向いていないということです。

 

はっきり言うと、賃貸リノベーションは資金が必要です。さらに言って孤独な経営です。

 

たとえば、組織に属している人なら、なにかしらの制約や圧力があり、それを克服するために様々な方法を模索します。多種多様なコミュニケーションから受ける刺激は何かの発見に繋がったりします。人がいるから自律する部分もあり、ライバル心が成長のきっかけになることもあります。

 

オーナーは一人で管理して運営する作業の繰り返しです。それに慣れてしまうと人間は成長から遠ざかります。リノベーションをすると決めたら、自分の考えとは違うやり方をどんどん受け入れてみることです。常にその姿勢を崩さないことがオーナーとして、不動産投資を成功させる秘訣とも言えるでしょう。

 

 

できる営業マンと付き合う

 

大抵の人は物を買うとき、高いか安いかで購入を決めがちです。たとえば、この洋服を着ることによって、自分が美しく見えたり、誰かに褒められたりすることが分かっていたら、購入を決めますよね。そこに高いか安いかの基準はありません。美しくなる、というリターンが見えたことが決め手です。

 

このように人間の心理をきちんと理解して、リノベーションにおける工事費用を明確にし、それにともなうリターンをきちんと数値で表し、「見える化」できる営業マンを選び、信頼関係を築いていくことが大切です。

 

経年劣化などで、再度リノベーションが必要になっても、スムーズに話が進んで行くでしょう。営業マンはお金をもらって提案し、オーナーはお金を払ってリターンを得る。一見ビジネスのみの関係ですが、そこには切磋琢磨し合える関係性が存在します。孤独な経営であるオーナーにとって、営業マンは外部との繋がりの最初の窓口とも言えるかもしれません。

 

ほとんどの営業マンは様々な角度からリノベーションを良い形で提案してくれますが、税務上のメリットに関しては理解していない人も多いのも事実です。

 

オーナー自身で決算書を作成することができるなら、然るべき時期に大規模な工事を施工するという計画が自分自身で立てられます。

 

そのうえで、営業マンの提案とうまく掛け合わせていくというのが理想です。知識を持った柔軟な営業マンを見つけることはオーナー自身の最大の仕事と言っていいでしょう。

 

 

まとめ

 

人は見えるものに目がいきがちです。確かな要素ばかりを拾って、安心や安全を得ることは悪いことではありません。

 

しかし、物事には必ず裏表があり、片側の意見ばかりでは本質を見失うかもしれません。人は自分の意見と似た人に傾きます。自分の知らないことを安心や安全というオブラートに包んで説明してくれる人にならなおさらです。専門家の意見や提案は非常に有効で、その道を究めているだけあり、筋が通っています。

 

しかし、必ずしもその人たちが自分にとっての絶対ではありません。賃貸をリノベーションして不動産投資をすることだけに限らず、投資をするのであれば、自分の知識をしっかりと固めて、自分の意思によって運営をしていく気持ちを持つことです。

 

そのうえで専門家と対等に話し、時には要求できるくらいまでになれると、オーナーとしてのみならず、人としての成長が投資を通して望めるのではないかと思います。


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