家賃滞納、大家さんとしては厳しい問題ですね。すべての借主さんに悪意があって延滞しているわけではないとしても、どうやって対処すればいいのかは悩むところですね。
大家さんの心得としてあったほうが良い考え方に基づいた、ためになる解決法をご紹介します。
家賃滞納が起こる原因は?
たくさんの入居者がいれば、家賃を滞納する原因もそれぞれです。
家賃を滞納する人は大きく分けて二つのタイプがあると考えられます。一つ目は支払い能力がないこと、二つ目は家賃を払うという行為の優先順位が低いことです。
支払い能力がないことは、いわゆるお金がないことですが、失業したり、大病したりとなんらかのきっかけがあって支払い能力をなくしていると考えられるので、家賃滞納までの過程を知ることができれば、最善の対応方法を考えることができます。
優先順位が低いということは、お金はあることがほとんどと考えられます。どのように対処するかを考える前にタイプを把握しておくと良いでしょう。
家賃滞納を起こさせないためには?
長く入居したあとに支払い能力をなくした場合を除き、入居の段階で支払い能力がないかどうかを判断しておくことが大切です。
多くは履歴書を読んでOK、保障会社に通ったからOKと安易に考えている場合がほとんどです。
しかし、着目すべきは書類上のことだけではありません。まじめに働いているか、人柄はどうか、なども最初に把握しておきたい項目です。
家賃を払う優先順位が低いことは、大家さんと借主さんの関係性によるところが大きいです。「払わなくても良いだろう。」と思わせないように普段から関係性を大事にし、積極的に関係を築く努力が必要です。
延滞金を取れるのか?
延滞金というペナルティを課して延滞させないという方法を取る大家さんもいるでしょう。
もちろんそれもひとつの方法ですが、なんとなく相手を追い込むような、大家さんと借主さんという暮らしを共有する間柄ではお互い気分が良くないのではないでしょうか?
たとえばCDレンタルショップなら、延滞が続くなら解約という流れになりますが、住む人と提供する人の関係性が生まれる賃貸ではあまりお勧めしたくない方法です。
回収するにはどうしたらいいのか?
実際滞納が続けば穏やかではありません。波風立てずに回収できればいいのですが、言い方やタイミングなどにも悩んでしまいますね。
そんなときは、払えない理由を相手の立場になって考えてみましょう。「なぜ?」という問いかけをして理由を聞いてください。払えない根本的な理由を知らない限り回収には至りません。
また、払えないのに払うことを強要しても進展はありません。
払わないことだけに着目せずに、その原因が何なのかという問いかけをして、相手の立場になって考えましょう。理由がわかれば解決策を考えられます。
会話をもって会話で解決に導くということは普段からの関係性が物を言うでしょう。
大家さんとしての心得で大切なのは、入居者との関係性ではないかと思います。ただ、もし悪意があって支払わない借主さんには法に訴えても良いのではないのでしょうか。
立ち退きをさせることはできるのか?
問題のある入居者さんに立ち退いてもらうのは仕方がないことかもしれません。法的にもそれは可能です。このような状況でもやはり大切なのは、相手の立場になって考えることです。
たとえば悪意がなく、支払い能力がない入居者さんであれば、ただ立ち退きを宣言するだけではなく、その人に合った家を探す手伝いをしたり、必要な支援が受けられる役所へ案内したり、手続きなど細かい作業を一緒にしたりと、誠意ある対応が大家さんとしてより、人間としての姿ではないでしょうか。
まとめ
相手の立場を強く意識した発言が多く、ただやみくもに家賃を回収することだけではなく、もっと大切なことがあるとと考えている大家さんは、借家人が「家賃を払えない状況を聞き取り、どのようにすれば支払うことができるのかを一緒に考えます。
誰かに部屋を貸すという賃貸業は、ひとつの人生、ひとつの暮らし、ひとつの日常を提供することとも言えるのではないでしょうか。
入居者が安心して生きられる場所、それを提供できる大家という仕事はすばらしいとさえ思います。