賃貸オーナーで困ることの一つが夜逃げです。
賃料の回収はできない、家財は置きっぱなしとろくなことはありません。今回は、夜逃げされたときの対処法や夜逃げを防ぐ穂方法についてお話しします。
夜逃げのトラブルはなぜ起きる?
夜逃げとは、住民票を移さずにどこかに行ってしまうことをいいます。
夜逃げといっても、家財道具を持って逃げる場合、最低限の身の回り品だけを持って逃げる場合と夜逃げの形態は様々です。
夜逃げの多くの理由は、金銭トラブル。
サラ金などにお金を借りて返せなくなったとか、賃料が溜まって支払いができなくなったなど金銭にまつわるトラブルが多く見受けられます。
もちろん、ストーカーから逃げるため、身内の不祥事などの理由で夜逃げするケースもあります。
放置された家具はどうすればいい?
家財を残して夜逃げされた場合はどのように対処すればよいのでしょうか?
夜逃げしたからには、その部屋に帰ってくることはまずありません。であれば、家財道具を処分してお金に換金しても問題ないと追われがちです。
確かに、そのようにしてもお咎めなしの時代もありました。
しかし、現在では「住居侵入」という刑事罰に問われることもあるので、オーナーが部屋に入って家財を処分することはできないのです。
ではどうすればいいのでしょうか?
家財を置きっぱなしにしておけば、次の人に部屋を貸すこともできません。
このような場合は、速やかに簡易裁判所に申し立て、住人との契約解除を成立させる必要があります。
そうすれば、部屋の明け渡しが成立し、借主が残していった剤を屋から運び出すことができるようになります。
夜逃げされた大家さんの負担は?
借主に夜逃げさた場合のオーナーの負担はどのようなものなのでしょうか?
・賃貸滞納分を回収できない
・家財道具などを勝手に処分できない
・費用負担して裁判を起こさなければならない
・次の契約ができないので家賃が入ってこない
・原状回復の費用はオーナーが負担しなければいけない
・家財道具を撤去する費用はオーナー持ちになる
このように、夜逃げされた場合は、良いことは何もなく、オーナーの負担ばかりが増えることになります。
夜逃げがわかった後にとるべき行動
「夜逃げじゃないか」と怪しいと思ったときに取るべき行動はどんなことでしょうか。
保証人に連絡を取る
最初にやるべきことは、借主を見つけて賃貸契約を解除することです。保証人になっているのが身内であるケースが多いので、連絡を取れることが多々あります。
また、借主の所在がわからない場合でも、保証人と話をし、賃貸契約解除までの家賃の支払いや家財の処分費、その後の部屋の現状回復の費用の支払い義務があることを説明し、納得してもらっておくこともポイントの一つです。
入居の家族に連絡
保証人が借主の家族でない場合は、保証人に連絡を取って前述のような行動をとることはもちろんですが。借主の家族にも連絡を取るようにしましょう。
家族から借主の居場所を知ることができる可能性があります。居場所がわかれば、するべきことは賃貸契約解除です。
滞納家賃の取り立てではありません。
住民票から転居住所を探し出す
夜逃げの場合、住民票はそのままの状態です。しかし、しばらくたってから、住民票を移すケースがあります。
また、郵便物の転送手続きをしているケースもあります。このような時には、引っ越し先の住所を掴むことができる場合があります。
法的手段に訴える
最後の手段になりますが、裁判所に申し立てを行うことです。借主が現れオーナーの要求を受け入れてくれれば万事丸く収まります。
しかし、借主の住所がわからない場合はどうなるのでしょうか?
このような時は「公示送達」という手法があります。これを利用すれば、相手がいなくても訴訟ができます。借主の住所はわからないので出席できません。
このためオーナーの主張はすべて認められ、家財道具などをすべて撤去できるようになります。
この場合は、強制執行となり執行官が家財を持ち出し、それを競売にかけて売却代金を申立人(オーナー)に支払ってください。
夜逃げを防ぐ方法
夜逃げを防ぐには早々に対処することが必要です。
金銭的な問題で夜逃げをする場合は、突然いなくなることは稀で、少し前から家賃が滞納されるようになります。
このタイミングで処置をすれば、夜逃げという最悪のケースを回避できる可能性が高くなります。
保証会社を利用
保証会社は家賃滞納時に入居者へ対応を行ってくれます。つまり、オーナーは入居者と交渉をしなくても保証会社がすべて代行してくれます。
ですから、夜逃げという最悪のケースにならないように保守会社が借主と交渉してくれるということです。
管理会社に管理を任せる
物件の管理を管理会社に任せると夜逃げは防ぐことができます。
手数料はかかりますが、入退去だけでなく、借主のクレームや滞納時の催促など、多岐にわたって管理をしてくれますので、こちらの場合も夜逃げを防ぐことができます。
まとめ
賃貸オーナーが一番困る夜逃げ。
夜逃げをされると保証人に連絡を付けたり、家族に連絡をつけるだけで済めばよいのですが、最悪の場合は簡易裁判で強制執行の判決を受けなければならなくなります。
いずれにしろ、撤去費用が掛かるだけでなく、判決が出て強制執行されるまでの間、次の人に貸すことができず収入が入ってこなくなります。
このやっかいな夜逃げを防ぐために、保証会社を入れたり、管理会社と契約して管理全般を見てもらうことで、夜逃げを防ぐことができます。