マンション経営において利回りは重要なキーポイントとなります。そのため聞く機会の多い言葉ですがいくつか種類があります。
それぞれ意味を理解してマンション経営に役立てましょう。
利回りの種類
・表面利回り
家賃収入÷投資額 =表面利回り
たとえば購入金額2億円のマンションで1000万円の家賃収入があるとすれば、表面利回りは5%です。
・ネット利回り
家賃収入から経費(返済額以外の価格)を差し引いて建物の金額で割った数字。
この場合の経費とは、エレベーターなどの共用部分の電気代や空室の損失率など、あらゆるランニングコストを含みます。減価償却費は含みません。
実はこのネット金額が大事なのです。たとえば大阪市内にあるマンションの空室率は大体5%くらいですが、それ以外であるなら15%以上になる可能性もあります。
物件によって空室率が違うというのが要因です。表面利回りはそれを引いていません。
経費に関してははマンションによってかなり違いがあります。それはエレベーターの有無によって変わる電気代や点検費用などで掛かってくるものがあるからです。植栽があればそれを維持するための費用、立体駐車場があればそれも然りです。
実際どんな経費がかかってくるかマンションごとに違います。だから家賃がこうだから表面利回り8~9%あるからいいですよっていうのはここだけを見たらコワイことです。
家賃自体もレントロールといって不動産屋さんからもらう一覧表があるのですが、それと今の家賃を照らし合わせ適正の相場かどうかを調べます。
というのは昔から住んでいる人は家賃が高い傾向があるからです。それから現在の相場家賃を入れなおして計算します。予測ですがさまざまな要因を考慮して計算したものが実質のマンションの利益になります。
<例>ネット利回り5%銀行の返済が3%
返済が6ならマイナス1%
利回りが低くても返済の年数や利率が低ければ利益が出ます。
<例>たとえば、ネット利回り5%、銀行の返済が3&だとしても2%残っているから
不動産の投資は、たとえば御堂筋の物件は利回りの相場が低いのですが、市場利回りよりも高く買って低く売ると利益は出ます。
・キャッシュフロー利回り
手取り÷等価資本 =キャッシュフロー利回り
たとえばネット利回りが5%、返済の利回りが3%、2%がキャッシュフロー利回りとなります。ある個人的な意見としてキャッシュフロー利回りは1~1.5%が良いと言われています。
土地建物を買った場合、平均的な利回りは?
令和元年、6~7%の間あたりとなっています。ここで気を付けないといけないのが、何パーセントで銀行からかりるのか?今売ったらいくらになるか?ということは購入時に考えなければいけません。
最初に表面利回りが出たとき銀行がいくらで貸してくれるのかということが一番重要です。
そしてネットはいくらなのか空き室率が多いところなのかも大切です。
実際どうなのか?買ってから困ってる人は多いので気を付けたいです。表面利回りは基本的にマイナス計算です。現入居者の家賃設定を基準にしているので、現在の相場で入れなおす(引き直し賃料)ことが必要です。
土地を持っている場合の、表面利回りは?
土地持ってたら8~9%でしょうか。持っている土地の場所がキーポイントです。というのは土地の家賃が低いか高いか、建築費がどれだけかかっているかで大幅に変わってくるからです。
表面利回りは家賃が高いところに建てると、12~13%、低い所で8~9%、もっと低い所で6~7%となります。
銀行に預けているよりかましにはなりますが、建てて良い場所と悪い場所があることを冷静に判断しなければいけません。
表面利回り6~7%で建て、土地から買って7%なら、この時点でもう成り立っていないのです。
ちょっとでも空室になるとすぐキャッシュフローはマイナスになってしまいます。そうなると土地を売るか駐車場にする方がましでしょう。
ある地主さんは相続対策のために、土地を担保にして物件を買い相続しています。自分の土地を守ることができ相続対策も出来ます。転売ではなく担保にするという考え方です。
今となっては先祖代々の土地を守るというより、先祖代々の資産を守ると考えた方が良いでしょう。
資産は何も土地だけではありません。現金も立派な資産です。土地を守るために駅から遠い土地にマンションを建てたとしてもオーナーはしんどいだけです。土地を売って現金に変えた方がよっぽど資産を守ることになるのです。
まとめ
利回りの種類はたくさんあり、ひとつの数字だけを見て利益を想定したとしても、他の利回りがどのように影響してくるかで大きく変わってきます。
それぞれの数字をしっかりと把握した上で、全体的に見通し、判断する力をつけることが大事です。不動産経営は儲けの出にくい商売です。良い面だけを見ずに、冷静に判断するようにしましょう。