社会福祉法人とは、特別養護老人ホーム等の社会福祉事業を行うことを目的として、 社会福祉法に基づいて設立される法人です。
⇒公共性が著しく高く、「利益」の概念はありません。
社会福祉事業に関しては、ほとんど課税をされません。
以上の要素から、法人設立認可の段階から公的関与を多く受けます。
福祉法人を設立する為の準備
十分な資産の確保
・施設用不動産を法人の基本財産とする。
・法人設立の際に、
法人の年間事業費の1/6 以上に相当する運転資金を確保する。
役員の選出
原則、役員として 6 名以上の理事と 2 名以上の監事を置くものとする。
任期は 2 年。
⇒理事には社会福祉事業について
学識経験を有する者または地域の福祉関係者が
含まれていることが必要。
また福祉施設を営む場合は、施設長等の施設職員が含まれていることが必要。
※各理事と親族等の特殊関係にある人は理事に選出出来る人数に限り
があることに注意。
例.理事定数 6~9 名⇔親族等の人数 1 名まで。
監事は、財産状況等の監査を行う為、
2 人うち1人は法人の財務諸表を 監査出来る人物であることが必要。
※監事は、理事、評議員及び職員との兼務不可。
他の役員と親族等の特殊関係にないこと、施設の運営と密接に関係
する業務を行う人でないことが必要。
評議員会の設置
評議員会は、多くの関係者の意見を聞くことにより、民主的かつ公平に運営が
行われるようにするためのもの。
⇒評議員は、理事定数の2倍を超える人数が必要。地域の代表を加える。
法人認可等協議書の準備
法人認可等協議書・施設設立計画書を指定の日までに提出。
その後各市町村の審査委員会に出席し、設立趣旨、事業計画等を説明。
※提出期限間近の提出は準備不足と判断され、採択されない理由となる為、
駆け込みで提出することなく、十分な準備期間が必要。
社会福祉法人設立のポイント
まずは、施設設立計画書の作成ポイントについてお話します。
設備基準の理解
設備基準が老人福祉法等各法令に定められている為、各設置基準を満たす。
基本的に全室個室、ユニットケアが原則。
ショートステイや、ディサービスセンターの併設も検討するように指導される。
職員配置基準
下記職員の配置が義務(入居者の定数によって配置人員は異なる)
施設長:1名(常勤)
医師:入居者に応じて必要数
生活相談員:入居者が 100 ごとに1名以上
介護支援専門員:1名以上
介護又は看護職員:入居者が30名を超えない特養1名以上。
栄養士:1名以上
機能訓練指導員:1名以上
調理員、事務員、その他職員:適当数
協力病院の定め
入院を必要とする入居者の為、協力病院の定めが必要
上記を踏まえて基本設計を行う。
設計にあたっては、信頼のおける設計業者へ依頼。
法令に定められている設置基準は最低基準であり、介護サービスの質を高めるために、ケアに対する事業者の考え方がどれだけ設計に反映しているかが重要。
社会福祉法人の認可審査
審査委員会の審査
提出された設立計画書について、
市の高齢福祉課または県の福祉事務所で審査を行う。
その結果「適」と判断されれば本庁の審査委員会で審査。
この審査により補助の可否決定。
役員面接
審査委員会で理事長を含む理事の役員面接がとり行われる。
予算採択の審査
各年度の中核市、都道府県の予算の範囲内で採択。
補助内示後の手続き
設立計画書が審査委員会で了承され、予算が確定したあと補助内示が通知。
補助事業の実施に向け準備手続き
整備資金の制度融資の申し込み
(独立行政法人福祉医療制度融資等)
補助金申請手続
⇒補助金が交付されれば、直ちに工事請負業者に支払いを済ます。
施設職員の確保
社会福祉法人設立認可申請書
① 定款の作成
② 諸規程の作成⇒特に経理規程は定款と共に速やかに作成。
③ 法人設立登記
関係機関から法人認可書交付後、法人設立登記。
※認可から2週間以内に法人設立登記を申請。
④ 財産目録記載の財産移転をし、1ヵ月以内に関係機関に報告。
施設開設手続き
最後まで抜けがないかご確認ください。
・施設職員の配置基準を満たしているか再度確認。
・就業規則、給与規程、消防計画等の諸規程の整備、
労働基準監督署や消防署へ届出。
・給食に係る届出を保健所提出。
・医務室については、医療法に基づく診療所の許可申請。
・介護保険上の指定申請手続き
※施設のオープン予定日に開設する為には、事前に設置認可等を受ける必要
がある為、遅くとも1ヵ月前には申請書提出しましょう。